外壁塗装・屋根塗装 住まいの塗りかえ本田塗装のホームページ 当店は西条・新居浜を中心に住宅塗替えを専門とする塗装店です。


 

お問い合わせ・ご相談はこちらから
0898-76-9076
または090-6286-6138

施工事例

  今回は、愛媛県西条市で屋根塗装・外壁塗装をご依頼いただきましたお客様の施工事例となります。
別会社でお見積りを取得されましたが、施工金額に疑問を持たれ、フリーペーパーの広告からお問い合わせいただきました。 N様邸


今回の工事では屋根塗装・縦目地・脆弱部のシーリング打替え・外壁塗装・付帯物・ベランダ床面の塗装を行いました。


屋根:鋼板屋根/立平葺き

外壁:窯業系サイディングボード


使用塗料は

屋根:アステックペイント スーパーシャネツサーモSi
外壁:水谷ペイント ナノコンポジットW
付帯部:日本ペイント ファインシリコンフレッシュ

シリコングレードでの塗装を行いました。
屋根には遮熱塗料を使用し、大幅なイメージチェンジをさせていただきました。



・・・まずは事前調査での状況から。


屋根は塗膜の劣化が発生している状態です。
大きな錆の発生などは確認できません。
※プライバシーに配慮し、画像を選定しています。




アップです。




破風・鼻隠し板のシーリングの劣化が発生しています。




基材自体も吸水し、脆弱化している様に思われます。




外壁は紫外線の影響で、塗膜に劣化が発生しています。




シーリングは経年により劣化し、破断している状態です。




アップにすると内部のハットジョイナーが露出している事が確認出来ます。




その他シーリングも経年劣化している状態です。




指で押さえてみると界面剥離した状態だと確認出来ます。




ベランダはFRP防水で、トップコートが色褪せしている様に感じます。
露出したベランダになりますので、トップコートの更新は必須事項です。




では、ここから施工内容に移っていきたいと思います。

まずはシーリング工事からです。
住宅塗装(サイディング外壁)の場合、目地シーリングは打ち替える場合がほとんどですが、その際に障害になってくるのが、雨樋です。
雨樋の裏側には目地が存在する事が多く、撤去・打替えの際にそのままの状態では綺麗に撤去出来ません。
ですので、一旦足元で雨樋を切断してシーリングが正しく施工出来るようにします。




準備が出来たらシーリング撤去です。
電動工事を使用して、古いシーリングを撤去します。




簡単に外れます。




その後、断面に残ったシーリングをカッターナイフで綺麗に撤去していきます。
綺麗に撤去し、ボードと新しいシーリングの密着性を向上させます。
薄皮が残った状態では密着しませんので、しっかり断面を綺麗にします。




ベランダ面材のシーリングも同様に撤去します。
ベランダ面材のシーリングは、特に劣化していました。
幅に対しての厚みが薄く、それが原因で劣化しやすい状態になっているのだと思われます。




付帯部のシーリングも撤去していきます。


破風・鼻隠し板は、電動工具を使用せず撤去しました。




分かりずらい部分ですが、軒樋の裏側もしっかり撤去します。




コーナー部分も同様です。




これは水道配管のシーリング状況です。
撤去前の状況ですが、シーリングが劣化し、外壁との間に隙間が出来ています。




撤去した後の状況です。




外壁内部のブチルテープが配管から剥がれてしまっています。
貫通部周辺はテープを貼りにくい為、貫通部がこういう状態のお家は比較的多いと感じます。




経年劣化で貫通部周りのシーリングはすでに切れてしまっていたので、台風などで漏水する可能性が高い状態でした。

本来であれば目地のシーリングと同じタイミングで施工するのですが、内部のテープが剥がれている状況の為、まずは配管とテープの接合部へシーリングを打ち込み、ヘラで押さえます。
これで貫通部のシート端部を止水した形になるので、この状態で一旦終了です。




シーリングの為のテープ養生を行い、専用のプライマーを塗布します。




プライマー塗布後、三面接着防止用のボンドブレーカーを貼り付けます。




ボンドブレーカーはシーリングを長持ちさせる為に大事な役割を果たします。
しかし、塗り替え工事の際に新たに張り直している施工店は新居浜・西条市付近では見た事ありません。
皆さん三面接着の弊害は熱心に説明する割に取り付けない。何のパフォーマンスでしょうか。
それって詐欺では・・・(^-^;?


さて、テープ養生後の状況です。
雨樋は足元で切り離していますので、シーリングが綺麗に撤去出来ました。




シーリング材を充填し




ヘラで均して完了です。
今回は外壁色が白→濃紺となりますので、それに伴いシーリングはブラック系統を選定しました。
使用材料はオート化学『オートンサイディングシーラント』です。




使用したサイディングシーラントはウレタンタイプのNBLMシーリング材です。


*NBLMについて少し説明します。

NBLM←ノンブリード・ローモジュラスの事です。

上に塗装してもブリード(可塑剤移行による塗膜汚染)せず、建物の動きに追従しやすい柔らかいシーリング材
という意味となります。

現在NBLMタイプが主流となっていますので、普通の住宅改修工事の際にNBLM以外を使用する事はあまりないかと思います。
その中で、変性シリコンとウレタンの2タイプありますが、当店の場合ウレタンタイプのサイディングシーラントを使用する事が多いです。

どちらも一長一短ありますが、用途により使い分けが必要です。

さて、ベランダ面材ですが、この部分に関しては、目地の幅と厚みに懸念があり、高耐久のシーリング材を使用しました。
オート化学の『オートンイクシード』という製品です。




金ベラで均して完了です。







このオートンイクシードはウレタンタイプのNBLM高性能シーリング材で、金額は通常の製品よりも割高になりますが30年耐久という大変長持ちする製品となっています。
少しでも厚みが確保出来るように、ボードと平行(直線的なヘラで凹ませないように)に仕上げました。


破風・鼻隠し板のシーリングは、外壁と同じオートンサイディングシーラントのブラック色で仕上げました。




雨樋の裏側もしっかり奥まで打替え完了です。




外壁のひび割れは手圧注入のエポキシ樹脂で修繕します。
表面にシーリングを薄く塗りつけるよりもしっかり奥まで充填できるこの材料の方が、ひび割れ修繕には効果的だと思い使用しています。







そして床面のトップコートを再塗装しますので、下地調整を行います。
電動工具を使用して、表面のパラフィン層を除去します。
埃の舞う作業ですので、洗浄前に行いました。




電動工具での作業状況です。





そしてようやく高圧洗浄

劣化した外壁表面の塗膜や、窓サッシ等、高圧洗浄で綺麗に洗い流します。




高圧洗浄後、外壁養生を行い塗装作業開始です。

外壁下塗り前に、換気扇フードなどシリコンシーラントが使用されていて、塗料が密着しない部分への対策を行いました。




*シリコンシーラントとは、ホームセンター等でも販売されいるシーリング材の一種です。
お家の中では水回りなどに使用されています。
安価で付着力・耐久性が高いのが特徴ですが、撥水・撥油性が高く、塗料が密着しません。
外部では換気扇フードやエアコンカバー付近に使用されている事が多く、塗り替え工事の際には厄介な存在です。

こちらのお家では、シリコンシーラント対策としてシリコンカバーNBという商品を使用しました。

まず脱脂(これ非常に大事)を行い、チューブタイプの密着材をたっぷり塗りつけます。
シリコンシーラント対策専用の商品で、密着性は良好です。


その後、刷毛とローラーを用いて、外壁・軒天井の下塗りを行います。
使用した材料は、水谷ペイント『ナノコンポジットシーラーU』です。
上下左右にムラ切りをしながら垂れない様に均一に塗布します。




シーラー塗布中です。




外壁・軒天井の下塗り乾燥後、天井を2度塗装します。
画像は上塗り2回目の作業状況です。
当店では軒天井は艶消し塗料を用いる事が多く、こちのお家でも艶消し塗料を使用しました。
仕様材料は、スズカファインの『水性モルコン』です。




その後、外壁の上塗り1回目の塗装を行います。
刷毛とローラーを使用して材料の塗布を行います。







ホワイト色→ダークネイビー色へ色変えとなりますので、特に塗り残しの無いように注意して作業を行います。

上塗り1回目乾燥後、上塗り2回目の塗布を行います。

塗料には標準塗布量というものが決められています。
面積に対して塗料が使用出来ているかどうか重量で計算し、それにより膜厚が確保出来ているか判断します。
塗料の耐久性は膜厚を確保する事が非常に重要ですので、使用量を計算しながら作業を行います。
上塗り1回目・上塗り2回目の合計で重量が使用出来なければ、否応なしに上塗り3回目が待っています^^;







フラットなデザインの外壁材だと上塗り3回目、当店では珍しくありませんが、このデザインですのでタップリ塗布すれば問題なさそうです。
たっぷり塗布しつつ、垂らさないのが外壁塗装の腕の見せ所という事になりましょうか。

外壁に使用した塗料は、水谷ペイントの『ナノコンポジットW』です。
艶消し塗料なのに高耐久の水性シリコン樹脂塗料です。
しっかり膜厚を確保すると1〜2分程度の艶感がありますが、かなり綺麗に仕上がります。

ベランダ面材はアクセントで色分けを行います。
ここも同様に、下塗り・上塗り1回目・上塗り2回目と塗布していきます。
使用した材料は水谷ペイントの『ナノコンポジットW』です。




上塗り2回目塗布中・・・




仕上がりです。





外壁塗料が完了しまして、完了後の状況です。

問題のあった配管周りの仕上がりです。
シールを2工程に分けて施工したので、通常よりも内部での止水力が上がったと思います。
美しく仕上がりました。







色合いといい、艶感といい、かなり綺麗な仕上がりです。





外壁工事完了後、今度は付帯物の塗装を行います。


雨水と紫外線の影響を受けていた破風・鼻隠し板には特殊な下塗りを行います。
スズカファインの『リフノン』です。




様々な機能のある弱溶剤系下塗り材で、基材の劣化が気になりましたので、下地をガッチリ固め、強い塗膜を形成出来るこの製品を使用しました。
刷毛とローラーで2度塗布し、かなり堅牢な下地になりました。

雨樋に関しては目荒らし・清掃を行い、材料の塗布を行います。




雨樋は美観上塗装する箇所となりますが、少しでも塗装が長持ちするようにしっかり作業を行います。
使用した塗料は日本ペイント『ファインシリコンフレッシュ』です。




破風・鼻隠し板も同様に、材料の塗布を行います。
上塗り塗料を2回塗布して仕上げます。




付帯物の塗装(特に雨樋)を、上塗り1回で終わる塗装店も多いです。
しかし、塗布量ムラの防止・紫外線による摩耗を考慮すると上塗り塗料は2回塗布すべきと私は考えます。




竪樋はホワイト色→濃いダークグレー色になりますので、塗っていない部分が出来ない様に、でんでん(固定金具)から取り外した状態で上塗り1回目を塗布します。
軒樋のジョウゴ(集水部分)もそうですが、風でジョウゴが動いて元の色が出ているお家をよく見かけます。

年数が経ってからも元の色が出てこないよう、工夫が大事です。

上塗り塗料を2回塗布して仕上げます。




仕上がりです。




こちらも仕上がりです。
痛みの発生していた鼻隠しも綺麗に仕上がりました。




雨樋の艶感も仕上がりの肌も綺麗です。




鼻隠しと雨樋の隙間もしっかり仕上げました。





続いてはエアコンカバーです。

エアコン化粧カバーは外壁塗装の前に取り外し、清掃後バラバラの状態で塗装します。
取り外して塗装する主な理由は、外壁に塗ってない部分を残さない為です。




塗装後、取り付けました。





エアコンを取り外す・外さないは施工店によって異なります。
@[エアコンを外さない塗らない]
A[エアコンを外さない外壁塗料で塗る]
B[エアコンを外さない付帯塗料で塗る]
C[エアコンを外す塗らない]
D[エアコンを外す付帯塗料で塗る]

と、色々な選択肢があると思いますが、当店ではDの選択をする事が多いです。


そして土台水切りです。

密着性向上の為にケレン作業を行います。




下塗り塗布後の状況です。
水切りの奥まで錆止め塗料を塗布しています。




外壁塗装後に外壁を養生し、上塗り塗料を2度塗って仕上げます。




完了です。





続いては屋根の塗装へ移っていきたいと思います。

屋根はブラウン系の塗装がされた立平葺きの鋼板屋根となります。
鋼板屋根のメンテナンスとしては、表面塗膜が劣化している(手で触ると触った跡が出る)場合、紫外線により塗膜機能が低下していますので、塗り替えをオススメしています。
今回も築年数的に、状態も施工タイミングでしたので屋根の塗装を行いました。

仮に築15年の建物だとして、シリコンプランの場合10年後の築25年の状態までメンテナンスしなくても問題ないかを検討します。
塗り替えの工事を行う場合、メンテナンスから次のメンテナンスまで担保出来る方法を検討しなくてはいけません。


作業内容に移りますが、鋼板屋根という事で、下地調整が高圧洗浄では不十分だと考えました。
表面塗膜は劣化していますが、高圧洗浄で表面の塗膜を洗い流すだけでは塗料の密着が心配です。
ですので、表面の物理的研磨を行いました。
マジックロン・サンドペーパーと研磨道具はありますが、今回は電動工具を使用して下地調整を行いました。




旧塗膜が脆弱化している為、簡単に下地が出ます。
表面の脆弱層は取り除き、素地に傷を付ける事で、下塗り塗料の密着性が向上します。。
この時期は夜露が発生し素地が濡れてしまうので、即日中に下塗り(錆止め)まで行います。




下塗り塗布中です。
下塗りに使用した塗料は、アステックペイント『サーモテックメタルプライマー』です。




全体的に同じ作業を行います。




今回は屋根を遮熱塗料で仕上げます。
下塗り完了後、上塗り塗料の塗布を行います。
刷毛で細かな部分を塗装し、ローラーで広い面を塗布します。
塗継ぎの出ない様に一枚一枚流れるように塗っていきます。







上塗り1回目乾燥・硬化後、上塗り2回目の塗布を行います。
1回目の時と作業内容は変わらず、刷毛とローラー用いて塗布を行います。
これもしっかり2度塗装する事で、耐久性の高い塗膜形成をさせる事が出来ます。







仕上がりです。
綺麗に仕上がりました。







遮熱塗料の仕組みは
  • 遮熱塗料の話
  • に書いてありますので、興味のある方はそちらを参考にして下さい。

    私自身あまり遮熱塗料はオススメしないタイプでしたが、この遮熱塗料は黒色顔料を無機顔料の他の素材に置き換えていますので、耐候性を落とさない遮熱塗料となります。
    価格も通常の仕様と大きく変わらないので、今回ご提案させていただきました。

    ちなみに、シャネツサーモのカラーバリエーションが少なくなっている為、現在は製造元メーカーの製品を使用するようになりました。
    仕上がり・耐久性共に高性能な製品です。



    最後にベランダ床面の施工内容です。

    こちらのお家のベランダ床面は、FRP防水というタイプの防水が施工された床となっています。
    下地のコンパネにグラスファイバーと樹脂で防水層を作成し、トップコートで紫外線から保護している防水タイプとなります。
    経年によりトップコートの機能が低下しており、ベランダ床面の再塗装が必要な状態です。

    下地調整として、電動工具を使用して物理的研磨・外壁高圧洗浄時に水洗いを行いました。
    その後アセトンという溶剤で全面を脱脂(かなり臭いですが重要)し、専用のプライマーを塗布します。




    別の記事でも書いていると思いますが、当店で使用するFRP防水改修用のプライマーはノンサンディング(研磨不要)で密着する塗料です。
    ですが、過去の施工で失敗された状態を目の当たりにし、その尻拭いをした経験を踏まえると、下地調整をしっかりする事は何よりも一番大事だと考えます。
    塗膜剥がれ程次のメンテナンスで厄介なものはありません。

    さて、エアコンの設置部分などは先に仕上げておきました。




    設置部分に戻し、全体的に仕上げて完了です。




    さて、これで今回の施工事例は以上となります。

    塗り替え工事では、使用する塗料のグレードや塗料を塗る作業も大事ですが、それに至るまでの下地調整や、何よりお家を長持ちさせる為にはどうするか、考え、実行し続ける事が大事だと思います。

    口先だけ器用な方、言う事とする事が違う方、どちらもリフォーム業界には多いですが、 当たり前の事を当たり前に出来る施工店が少しでも増えてくれればいいなと願います。


    最後になりましたが、この度はご依頼いただきまして誠にありがとうございました。



    inserted by FC2 system